【教育介入】石垣市議会が児童への「国歌調査」を決議

文化

更新日:2025年9月26日

沖縄県石垣市の市議会は24日付で、市内の小中学生に対し「国歌を歌えるか」「音楽の授業で習ったか」といった調査を求める決議を賛成多数で可決した。学習指導要領に基づき「しっかり歌えるようにする」ことを目的に、市に調査の実施を求めている。市は対応を検討中だ。

決議では「子どもたちが十分に国歌を歌えていない」と懸念する保護者の声を根拠に、入学式や卒業式での実施状況を含めて児童生徒の「習熟度」を把握し、今後の指導に反映させる狙いが示された。提出者の友寄永三市議は「歌いたくない人に強制する訳ではない」と説明する一方、反対に回った内原英聡市議は「教育現場への政治介入であり、現場の負担になる」と批判した。

この決議は、形式上は「強制ではない」とされるが、子どもたちにアンケートという形で回答を求めれば、実質的な同調圧力となる可能性は否めない。国歌を「歌える/歌えない」という二択の問いに置き換えることで、多様な価値観を切り捨てるリスクをはらむ。

さらに飛躍すれば、これは教育の名を借りた「思想のテスト」でもある。子どもの歌声を通じて国への忠誠度を測るような発想は、民主主義国家というよりも統制国家的な響きを帯びている。歴史を振り返れば、こうしたシンボルをめぐる忠誠確認は、社会の分断や排除につながることが多かった。

この流れは「日の丸・君が代」論争の延長線上にある。学校現場で不起立の教師が処分対象となった事例は記憶に新しい。今回の石垣市の動きは、地域単位で再びその火種を燃やす試みとも言える。憲法で保障された思想・良心の自由を、教育現場でどう守るか――その問いが突き付けられている。

調査の実施が実際にどこまで進むかは未定だが、子どもたちにとって学校は「学びの場」であるはずだ。政治が教育現場に介入すればするほど、自由な学びが制約される危うさは増していく。

出典:産経新聞

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