立憲民主党の安住淳幹事長は11日、SNSを重視する政治の風潮に疑問を呈し、国会での審議や行政監視こそが議員の本来の役割だと強調した。党の広報戦略に関する記者の質問に対し、「私は常識的で真面目なことをやり続ける。風なんか気にして政治をやってちゃだめだ」と述べた。
安住氏はさらに、「ネットの世界ではやったらいいなんて間違っている。国会審議を一生懸命やっている人間が評価されず、休んでいる人間がSNSで目立つのはおかしい」と指摘した。政治の軽視につながるとして、議会での活動を軸にすべきだとの立場を鮮明にした。
立憲民主党は参院選の総括文書で「SNS対応に課題が残った」と総括。これを受けて野田佳彦代表は広報体制を強化し、広報本部長を広報委員長に格上げした。党内では「他党の先進事例をまねるべきだ」との声もあるが、安住氏は流行よりも地道な国会活動を優先する姿勢を示した。
ただ、ここで皮肉な想像も膨らむ。もし政治家がSNSを頼りすぎるなら、いっそ国会もTikTokで生配信してしまえばいいのか。真面目な審議よりも、ダンス動画やキャッチーなハッシュタグ合戦のほうが政策決定を左右する時代が来るのかもしれない。SNSでバズる答弁を競う「国会ショート動画時代」が現実になったら、もはや民主主義はエンタメと化す。
日本に置き換えれば、戦争や憲法改正の議論ですら、SNSのトレンドに左右されかねない。もし「平和を守れ」がバズらなければ、政策は簡単に逆流してしまうのではないか。安住氏の警鐘は、軽く聞き流すには重い響きを持っている。
今後の総裁選や国会審議において、政治家が「バズ」と「議論」のどちらに軸足を置くのかが問われている。民主主義の質を保つために、SNSとどう付き合うかは避けて通れない課題だ。
出典:時事通信


