知床・羅臼岳で発見された遺体 クマによる襲撃か

更新日:2025年8月16日

北海道斜里町の羅臼岳で、クマに襲われたとみられる男性の遺体が発見された。警察は、行方不明になっていた20代男性とみて身元の確認を進めている。

14日午前11時ごろ、男性と同行していた友人が約200メートル後方を下山中に、男性の叫び声を聞いた。現場に駆けつけると、男性がクマに襲われており、太ももから出血し林の中へ引きずり込まれたという。

捜索は警察やハンターなど18人態勢で行われ、現場周辺から男性名義のクレジットカード入り財布や催涙スプレー、破れた衣服、靴が見つかった。衣服には血痕があり、近くには引きずられたような血の跡も残されていた。

14日午後1時すぎ、現場付近で親グマ1頭と子グマ2頭が確認され、ハンターによって駆除された。今後、この3頭が男性を襲った個体かどうかの調査が進められる。

現地では今月10日にも親子グマが登山道付近で目撃されており、人間をあまり警戒しない様子が記録されていた。北海道大学獣医学研究院の下鶴倫人准教授は「クマは経験を通じて行動を学習するため、過去の経験が危険な行動の背景になった可能性がある」と指摘している。

今回の被害は、知床が世界自然遺産に登録された2005年以降、登山客がヒグマに襲われた初めての事例となった。被害を受けて羅臼岳の登山道全域が閉鎖されたほか、知床五湖やカムイワッカ湯の滝などの観光地も当面の間、立ち入り禁止となっている。

地元の漁業関係者は「人間に慣れすぎている。事故で観光客が減る可能性がある」と懸念を示す。お盆期間中の観光名所の閉鎖は地域経済にも影響を与えており、観光再開の見通しは立っていない。

今回の事案は、野生動物との共存や安全確保の在り方を改めて問いかけるものとなった。今後の調査結果や再発防止策に注目が集まる。

出典:北海道ニュース

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