更新日:2025年8月15日
石破茂首相は15日に行われた全国戦没者追悼式の式辞で、先の大戦に対する「反省」という言葉を13年ぶりに盛り込み、「進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と述べた。歴代首相が長らく使用を避けてきた表現の復活となった。
「反省」の語句は1994年の村山富市氏以来、2012年の野田佳彦氏まで歴代首相が使用してきたが、2013年の安倍晋三氏以降は式辞から姿を消した。その後の菅義偉氏、岸田文雄氏も言及しなかったため、今回の発言は約10年ぶりの大きな変化となる。
岸田氏は2022年から2024年の式辞で「歴史の教訓を深く胸に刻む」という表現を用い、戦後70年談話を踏襲してきたが、石破首相の「反省」はより踏み込んだ表現といえる。首相周辺は、この「反省」がアジアへの加害に限定されるものではなく、戦争に至った経緯や戦後の文民統制の在り方なども含めた広い意味を持つと説明した。
式辞では「戦争の惨禍を決して繰り返さない」という決意も示され、これは歴代首相と同様の立場を維持している。一方で石破首相は、「この80年間、我が国は一貫して平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきた」と強調し、国際社会での役割にも触れた。
さらに、「悲痛な戦争の記憶と不戦への決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いていく」と述べ、平和外交の継続を明言した。これにより、式辞全体は過去の歴史を踏まえつつ、未来志向の姿勢を打ち出す内容となっている。
今回の発言は、国内外における歴史認識や平和政策のメッセージ性を持つと同時に、今後の外交姿勢や国会論議にも一定の影響を及ぼす可能性がある。今後の国際的な反応や国内世論の動向にも注目が集まるだろう。
出典:毎日新聞
