東京都、21年間の消費税未納 「税理士からの指摘」も放置されていた

政治

更新日:2025年10月3日

東京都の事業における消費税未納問題が新たな局面を迎えています。都が明らかにしたところによれば、東京国税局からの照会を受ける前に、都が業務を委託していた税理士法人からすでに「過去の納税義務について確認が必要」との指摘があったにもかかわらず、対応はなされなかったというのです。

問題が表面化したのは今年5月。インボイス制度への対応に関連して、国税局から過去の取引に関する照会があり、その結果、2002年度から2022年度までの21年間にわたり、都営住宅等事業会計における消費税の申告・納税がなされていなかったことが判明しました。

本来、課税売上高が1000万円を超える特別会計は消費税を納める義務があり、これは民間企業であれば当然の遵守事項です。しかし、都は長期間にわたってこれを怠り、さらに外部の専門家からの指摘まで見過ごしていたことになります。

小池百合子知事は都議会で「監察で明らかにしていく」と述べ、現在原因究明のための調査が進められています。ただ、この種の「監察」や「検証」は往々にして内部処理で幕引きされることが多く、都民が納得する透明性が担保されるかは不透明です。

考えてみれば、これは単なる経理の不備ではなく、二重の放置です。国税局からの指摘がなければ、都はさらに未納を続けていた可能性すらある。公的機関が「納税義務」に対してこれほど無頓着であった事実は、民間事業者への厳格な税務対応と比べても極めて対照的です。

皮肉なことに、消費税増税が「社会保障の財源」として繰り返し説明されてきた一方で、最大の行政組織である東京都自らがそのルールを破っていたという構図です。市民には「1円単位まで領収書を揃えろ」と迫る一方で、役所側は21年間もの空白を見過ごす――これが制度の公平性と言えるでしょうか。

この問題は日本全体にも通じます。中央政府においても、防衛費や公共事業費の裏付けが不明確なまま増税論が語られ、現場の国民に負担が押し付けられる構図が続いています。憲法や財政規律を守るべき公的機関自身が「ルール軽視」をしているなら、社会契約の基盤そのものが揺らぐことになるのではないでしょうか。

都民の信頼を取り戻すには、単なる監察ではなく、責任の所在を明確にしたうえで、再発防止を超えた制度改革が求められています。

出典:日テレNEWS

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