自民党の小林鷹之元経済安全保障担当相が、石破茂首相(党総裁)の退陣を受けて行われる臨時総裁選に出馬する意向を固めたことが10日、複数の関係者への取材で明らかになった。小林氏は必要な推薦人20人を確保できる見通しで、来週にも出馬会見を開く方向で調整している。
小林氏の立候補は昨年9月の総裁選に続き2度目。前回は中堅・若手議員を中心に支持を集め、「刷新」を掲げたものの、結果は9人中5位にとどまった。ただし国会議員票では林芳正官房長官を上回る41票を獲得しており、総裁選直後には「次も挑戦する」と意欲を示していた。
総裁選後には党広報本部長のポストを打診されたが、「仲間の力を生かしてほしい」と辞退。昨年12月には有志議員とともに勉強会を立ち上げ、中長期の国家像について議論を重ねてきた。小林氏は「政局とは関係ない」と説明したが、「ポスト石破」を見据えた布石と見る向きもある。
課題とされる知名度不足を補うため、テレビ番組への出演も増やしている。今月8日の番組では「日本再生という目標のために、党がまとまらなければならない」と述べ、熟考の末に出馬を決意したことをうかがわせた。
ただし、こうした「刷新」の動きが本当に国民の暮らしを変えるのか、疑問の声も出ている。権力構造の中で新しい顔を並べるだけでは、生活者が直面する不安定な雇用や社会保障の揺らぎには応えられないのではないか。政治家同士が派閥やポストをめぐって動く姿は、国民にとっては遠い議論に映る。
一方で、「子育て世代の視点が政策に反映されていない」「銃社会に揺れるアメリカを笑えないほど日本も社会不安が増している」といった声もある。政治を語る場で酒を酌み交わす文化が必要だ、という突飛な意見すら聞こえてくる。そこには、形式ばかりの政治談議に対する諦めと、対話への渇望がにじむ。
そしてこの総裁選は、戦争や平和をどう捉えるのかという根本にもつながる。経済安保を掲げる政治家が次の首相となる場合、日本は憲法改正や防衛強化へと進むのか。自由と平和を守るための選択を、私たち自身が迫られているのは間違いない。
民主主義は形式だけでは機能しない。刷新の名の下に、生活者や若者の声が本当に政策に反映されるのかどうか、今回の総裁選はその試金石となるだろう。
出典:FNN/産経新聞


