三重・四日市の地下駐車場水没 車の補償なき現実と管理会社の責任

社会

更新日:2025年9月18日

三重県四日市市で発生した大雨による地下駐車場の水没被害が注目を集めています。12日の豪雨は1時間に120mmを超え、市中心部の地下2階部分(高さ3.5メートル)が完全に水没しました。調査で114台の車が確認され、被害の全体像が公開されたのはそれから5日後のことでした。

映像には、白い車が元の位置から流され通路中央に移動している様子や、天井付近まで汚れが付着した車両の姿が映っていました。ワイパーが上に上がったままの車や、斜めにずれた車両も確認され、水圧と流れの強さがどれほどだったかがうかがえます。

補償について、弁護士は「自賠責保険では車両の水没は対象外」と説明します。自賠責は運転中の事故のみが対象であり、駐車中の水没は救済されません。一方で任意の車両保険に加入していれば水害がカバーされるケースが一般的です。しかし、任意加入率の低さを考えると、多くの被害者が補償を受けられない可能性があります。

ここで問われるのは、駐車場の管理会社の責任です。専門家は「被害を予見できたかどうか」がポイントだと指摘します。止水板を設置せず、十分な対策を怠った場合は過失責任が問われる可能性があるのです。だが現実には、豪雨の規模を前にして「想定外」という言葉が逃げ道に使われがちです。

この状況は、まるで日本の防災行政そのものを映し出しているかのようです。原発事故の際も「想定外」という言葉が繰り返されました。災害は常に想定を超えるものだとしても、想定を引き上げる努力をしなければ被害は繰り返されます。保証もできない、責任も曖昧、そんな体制のままで本当に人々を守れるのでしょうか。

日本国内でも同様のリスクは各地に存在します。都市部の再開発で地下駐車場は増え続けていますが、浸水リスクへの対策は十分でしょうか。気候危機で豪雨は激甚化し、首都圏で同じ事態が起これば被害規模はさらに拡大することは想像に難くありません。憲法が保障する「国民の生存権」と照らし合わせれば、行政と事業者には一層の責務があるはずです。

結局のところ、今回の災害は「自然現象」では片付けられません。制度と責任の空白がむき出しになった象徴的な事件だといえるでしょう。

出典:FNNプライム/

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